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2012年6月23日 (土)

「15ヶ月の大勝負ー高橋大輔、銅メダルへの戦い」(2)

「よく立っていられるなあ」と言いましたね。。。と、リハビリを担当する吉田。

膝を痛めてしまう、膝にとっての悪い環境が全身にあったのだという。

「フィギュアスケート選手で、前十字靭帯を切断させることは極めて稀です。普通ならこける。こければ多分切れなかった。踏ん張ったから切れた。踏んなきゃならない原因は、重心が後ろにあったからです。股関節が硬いと重心が後ろに移動しにくい。柔らかくして重心を正しい位置にもどすことを考えました。」

吉田は、過去の映像で高橋の動きもチェックした。

「体が硬いがゆえに荒馬に乗っている、ロディオを見ているような美しさでした。細かく言えば自分で動かそうとしていない制御できない動きがでている。危ない動きです。だからスムーズに動けるように、治していこうというコンセプトでした。」

体の硬さについては、長光コーチも十分に分かっていた。

「体はどこがどうというのではなく、全体的に硬い。…氷が相手だったからあの体も生きた。

体が硬いから“返し”がある。速いステップが踏めるのは返しがあるからです。体は硬くても氷の上では柔らかく見えるので惚れていました。そこにセンスがある。短所を短所のまま見せない能力です。」

徹底したリハビリメニューを懸命にこなし、高橋は手術から1か月もたたない12月24日、松葉杖も使わずに颯爽と歩いて退院した。

そして近くのアパートから通いながらのリハビリとなった。

基本動作のリハビリにプラスして、押す、伸ばすといった身体改造メニューが加わった。それはもの凄く苦痛をともなうこともあり、時に彼は悲鳴を上げ、涎を流しながら耐えた。

ケガの回復は順調に見えた。突然、高橋はリハビリに姿を見せなくなった。

高橋がその日を振り返る。

「午前中のリハビリが終わってアパートに帰ったら、つい寝込んでしまった。目がさめたら午後の開始時間が過ぎていた。そうしたら行く気がなくなって、次の日も行きたくなくなって、もうどうでもよくなってしまった。電話も無視していました。」

あてもなくあちこちに行き、新感線にも乗ったという。

「全く連絡がとれなかったので最悪の事態も考えてしましました。」

と、長光コーチは当時を振り返った。

リハビリの吉田も自問自答しながら、ただ待つ。そして彼が助けを求めれば、それにこたえようという結論に達したという。

疾走して2週間が過ぎようとする頃、ようやく長光のもとに高橋から連絡が入った。

長光は静かに「嫌ならやまてもいいのよ。リハビリもスケートもやめていい。あっとこっちに頭を下げるのはこっちの仕事だからかまわないのよ」

高橋の心が深いところで動いた。

そして、痛くて辛い長いリハビリの毎日がまた始まった。

4月にはいろうとするころ足首、そして膝の位置が変わった。

悪かった膝はどっちというくらい美しい足になりましたからね、と吉田。

高橋が氷上に立てたのは4月4日。

4ヶ月のリハビリは絶大だった。股関節、膝がスムーズにうごき、膝の運びがゆっくりと大きくなっていた。

こわごわ跳びあがる彼のジャンプを見て、長光は思わず笑った。

オリンピックが8ヶ月後に迫る頃、栄養士のエキスパートも陣営に加わった。高橋も初めて体を考えて食べるようになった。

可動域の広がった体は思いもしなかったポジションが取れるようになったが、一方でジャンプなどは感覚が異なる為、戸惑うことが少なくなかった。

09年10月フィンランディア杯が復帰戦となった。11月のNHK杯、グランプリファイナルに原医師が彼の元を訪れる。

高橋は納得のいかない演技を振り返った。

「4回転を失敗したら、その後は頭が真っ白になってしまったんです」

原医師はすかさず

「面白いことをいいはるわ。10回跳んで9回失敗する者が、1回成功したら頭を真っ白にしてもいいけれど、10回跳んだら9回成功する人間が1回失敗したからといって、頭の中真っ白になってどうするんや。そういうこともあるやろうって、知らんかおして続きをやってや!」

高橋は珍しく声をたてて笑った。そして5戦目の全日本では、SP、フリーともに1位で優勝を飾り、五輪代表入りを決めた。

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コメント

naoさん、早速に#2ありがとうございます!!うれしいな。^^

ところでお尋ねしたいのですが。こちらにアップした文章を拙訳ではありますが英文にしてFan Forumにアップしてシェアしてもよろしいでしょうか?

izayukamさん
私は構いませんけれど、、、でも、だいぶ短くなっていて原文からは少し違ったものになっていると思います。
話の流れには気を付けてはいますが、、、書ききれていない部分も多いです。
この後、3をアップします。それで完結です。

初めてこちらにコメントさせて頂きます。
ブログの記事を楽しく読ませて頂いてます。

歌子先生は、スケートをやめても大輔は大輔だからって言われたそうです。
それからお名前の出ている原先生の記事です(見れるかな?)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=53706
参考になればと思いまして貼らせて頂きます。

こんばんは。
この本は読んでいなかったので、大変感謝しております。
やはりスポーツ選手は体が硬い事は、怪我につながるのですね。
昔の硬い体の高橋のジャンプは、タイミング・回転軸・回転スピード等全ての要素が揃って飛んでいたことが、よくわかりました。とても難しい条件でジャンプを跳んでいたのに、成功させていたのは凄いことだと思いました。

織田選手がよく膝が柔らかい猫ジャンプと言われていますが、高橋は、体を柔軟にしていくことで、その体に慣れてジャンプを跳べるようになるまではホントに大変だったでしょうが、努力の甲斐あって、3回転は本当にステップの一部のように綺麗にさりげなく飛べるようになったし、今後の4回転の成功率は、柔軟性を得たことと筋力が戻ってきたことで、確実に上がると思います。

昔の高橋のカツカtとしたパワーの滑りも好きでしたが、やはり今の方が数段レベルアップしてよりスムーズで滑らかで吸い付く伸びのある滑りとなり、より熟成された表現力も併せ持って、そんなスケートを見せてくれて本当にありがとうです。
今の方が体をキチンとケアして、体は若い頃より良くなってますよね。
ケガをして良かったんですね。現役時代も伸びたし。
パート3楽しみにしてます。

OKをいただいて感謝します。コメント欄をこのようなお願いに使ってしまってすみませんでした。

怪我後のリハビリ明けから、本当に体、特に脚の形が変わった気がしたのですが、実際にこんな風に根本的な療法をうけていたんですね。読んでいて、感情より先に目のなかに水分が溜まってきて仕方ありません。サポートしてくれる、すべとの人との出会いに恵まれて本当によかった。

naoさん、ありがとうございます。
私、これ読んでなかったですわ。
部分部分は他で引用だったのか、覚えのある文章もあったのですが、
歌子先生の「体が硬いから~」、ここが初出だったと初めて知りました。
原医師の分析もすごく興味深いです。
リハビリ担当の吉田氏の言葉も嬉しい。
本当に大ちゃんの周りには、彼に必要な人がなんでこんなに引き寄せられるんだろう。
人徳なんて簡単な言葉で言ったら申し訳ないくらいに。

思い出せば、この1年のやきもきしてた日々…、
一体どうやって過ごしたんだろう、私。もう、あんまり覚えてないわ(笑)。
今、たまたま国別の録画の整理をしてたらバンクーバーの映像もあったので、
この時期にフラッシュバックしちゃいましたよ。
…で、結論。
肉体のダメージを乗り越えるのは精神の向上しかない。
(と、書いてて思った。これ、アスリートのみならず老いが近づいてきてる自分に必要なコトじゃんって・笑)
次回、楽しみにしてます!


hakuさん
はじめまして。
コメントありがとうございます。
そして、原医師の記事の情報ありがとうございます。
実はこの記事は、やはりコメントくださった方に教えていただいて
以前読んだことがあったのですが、今読んでみますととても納得がいきます。
いろんなパーツが繋がってきます。ありがとうございました。

ユミママさん
この記事のアップを喜んでくださった方が少なからずいらっしゃって
私も苦労した甲斐がありました。。。
原文にあるそれぞれの実際に話した言葉が興味深く、そこは変えずに書かなくては
と、けれど削除する部分もあるので、つなぎに気を使いました。

手術後の演技になかなか4回転が入ってこなくて心配しましたが、大変だったのですね。今は安定してきて、これからが楽しみです。

私も、昔の危なげなバランスの美しい滑りも好きだったと思いました。
今は本当に氷に吸い付くような伸びのある滑り、それは彼の理想に近づいているのでしょうね。これからも出来るだけ長く彼の滑りを見ていきたいと感じました。

izayukamさん
英語に訳されるなんて、素敵ですね~。
海外にいらっしゃるから、当たり前なのかもしれませんが、英語に堪能で羨ましい。
私も少しはお役に立てて嬉しいです。

足のかたちが変わったと気が付かれるなんて、さすがですねi
zayukam さんのファンさ加減は凄いです。

ケガによってたくさんのスペシャリストに出会った幸運。
彼が人を引き寄せるのでしょうか。
より一層これからの高橋が楽しみになりました。

Maruさん
おお、そうですか、それは役に立ちましたね。
喜んでくださって嬉しいです。
そうですよね、、部分的には知ってる話もあって、、、
だけど、すべてここで繋がったような感じになりました。
関わったすべての人の言葉が興味深く、
さすが各分野のスペシャリストだなと感じました。

精神の向上ですか~なるほど。。。
自分にも納得です。

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