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2011年12月12日 (月)

浅田匡子さんに届けと渾身の滑り。【コラム】

田村明子 = 文

まったく予想していなかった形で、悲しいGPファイナルの開幕となった。

 3年ぶりにファイナルに進出した浅田真央が、母親の危篤という知らせを受けて8日に急遽帰国。残された選手たちも衝撃を受け、関係者みんなが回復を祈っていたが、願いも空しく翌日9日、浅田舞、真央姉妹の母親である匡子(きょうこ)さんの訃報がもたらされた。スケート関係者の間では知らないもののない、凛とした気品のある女性だった。

 大多数の選手にとって、母親とのきずなは普通以上に強いものだ。幼少時から母親が身を削るようにして、影のように付き添いながらスケート活動を支えている。突然の悲報はどの選手にとっても他人事ではなく、カロリナ・コストナーも知らせを聞いて涙を流したという。特に日本の選手にとっては、精神的に影響もあったことだろう。

鈴木明子は「自分にできることは精いっぱいの演技」と決心した。

 そんな中で、日本の選手は精いっぱい戦った。

 鈴木明子は、SP、フリーともに細かいミスはいくつかあったものの、大きく崩れることなく全体をまとめて2位に入賞した。SPでは初めて3フリップ+3トウループのコンビネーションに挑戦する予定をしていたが、フリップの着氷が不安定で実現できなかったことが、何より悔しかったという。

 浅田が欠場したことに対する精神的な影響について聞かれると、「今の私にできることは、自分にとって精いっぱいの演技をすることと思った。いったん氷の上に出たら、気持ちを切り替えることができたと思います」と語った。

「氷の上に出て滑ることができることに感謝をしながら滑りました」という言葉の通り、フリーの歌劇「こうもり」では始終柔和な表情を崩さずに、滑る喜びを最後まで表現した。だが本人は、「順位的には、GPファイナルでは自己ベスト。でも演技の内容には満足していない。思ったような滑りができなかった」と自分に厳しい評価をくだした。ベテランの年齢域に達してから本格的に3+3の練習をはじめたという頑張り屋さんだけあり、自分に対する要求が高いのだろう。

 優勝は、カロリナ・コストナーだった。GPファイナルは4度目の進出で、毎回メダルを手にしていたが優勝は今回が初めて。昨年左ひざを痛めて以来、いまだに3ルッツを試合で入れてないことについて聞かれると、「自分のプログラムは他の選手ほど内容のレベルが高くないと感じた。でも現実的にその時々で、できることを精いっぱいしなくてはならないから」と答えた。ミスを最小限に抑え、リンク全体を大きく使うスケーティングの質などで高い5コンポーネンツを得てSP、フリーともにトップを保った。

「一人でいるより仲間たちと一緒にいたほうが」(高橋)

 男子は、高橋大輔がSPでコンビネーションジャンプを抜かすという大きな失敗をし、6人中5位からのスタートとなった。だがフリーでは、4回転こそ手をついたものの、残りをノーミスで滑りきった。ブルースのけだるいリズムに身を任せて、情緒たっぷりに魅せてケベックシティの観客からスタンディングオベーションを得た。

「これ以上は下がることはないと思って、フリーはリラックスして思い切り楽しみながら滑ることができました」

 浅田真央のことに質問がおよぶと、「当人でなくては気持ちはわからない。次に会ったときにどのような言葉をかけてあげればいいのだろうかと悩んでいます。でも一人でいるより、仲間たちと一緒にいたほうがいい。試合には絶対に戻ってきてほしい。お母さんも、スケートが好きな人だった」と、日本チームのリーダー格らしい思いやりにあふれた言葉を口にした。

優勝したP・チャンよりも輝いていた、高橋大輔のフリー演技。

 高橋は、フリー、総合ともに2位だった。

 だが少なくともこの日のフリーに関しては、彼の演技は1位に値したのではないかと思う。

 優勝したパトリック・チャンは、4回転を2回降りたが、どちらも着氷が乱れた。そして最後の3ルッツで転倒している。もともとチャンは、失敗しても立ち直りのうまい選手ではある。だがこの日のミスの入り方では、普段の彼の優れたスケーティングの持ち味が生かされず、全体の流れも途切れ気味であった。

 解説者として会場に来ていた佐野稔氏は、「後半に入ってからの3ルッツ+1ループ+3サルコウが大きかった。普段やっていない3フリップ+3トウループも急遽入れた。この採点方式での勝ち方を知っている」と分析する。

 だがあれだけのミスにもかかわらず、5コンポーネンツもわずかながら今回の高橋よりも高かったというのは、よくわからない。ジャンプミスはスケーティング技術には影響がなくても、5項目のうちパフォーマンスやインタプリテーションの部分では影響があるはずだ。

開催地がカナダではなく日本だったら高橋が優勝……。

 高橋本人は、淡々とこの結果を受け入れた。

「パトリックはミス3つ、自分は1つでもまだ勝てないんだなと思った。それが今のジャッジの評価なんだな、と受け止めました」

 もっとも今シーズンを通しての全男子でもっとも高い5コンポーネンツは、高橋がNHK杯で出したものだ。

「あれは(開催が)日本でしたから」と、高橋は謙遜して苦笑する。確かにどの試合でも開催国の選手に少し甘い目の点が出るというのは採点スポーツでは珍しいことではない。

「でもそれを言うなら、ここはカナダですよね」と私は返した。

 この試合の開催地が、カナダではなく日本だったら高橋が優勝していたかもしれない。

 だがそれを論じてみても不毛なだけである。ジャッジの顔ぶれと開催地など、不利なこともあれば有利なこともある。運も含めたすべてを受け入れてこその、採点なのである。そう割り切らないと、採点スポーツはやっていけない。

 今回はこういう結果になったが、これで勝負は終わりではない。高橋がこのまま今季の残りも安定した演技を続けていけば、結果は必ずついてくるはずである。

日本チームの健闘を、浅田匡子さんも誇りに思ってくれるのでは。

 一方17歳の誕生日を迎えたばかりの羽生結弦も、初出場のシニアGPファイナルで会心の演技を見せた。フリーでは出だしの4回転を軽々と成功させ、3アクセルも2回降りた。唯一、最後の3サルコウで手をついたが、観客は熱狂的な拍手を送り、総立ちとなった。

 総合4位と健闘した彼は、本来まだジュニアGPに出ている年齢である。だが高橋に「ここでは羽生選手が素晴らしい演技を見せたので、自分は全日本選手権では今回以上の滑りをしないと勝てないと思った」と言わしめるほどの演技だった。

 試合全体の感想を聞かれた羽生は、「ほとんどの選手が4回転を降りていて、みんなが笑顔で終わるというレベルの高い試合だった。その中でこれだけの演技ができたことを誇りに思います」と素直に喜びを表現した。

 どの選手もそれぞれの立場から、自分にできる精いっぱいの演技を見せた。日本チームの健闘を、フィギュアスケートが大好きだった浅田匡子さんも誇りに思ってくれるのではないだろうか。

愛情あるコラム。

優勝したP・チャンよりも輝いていた、高橋大輔のフリー演技。

そうだよね!そうそう。

「パトリックはミス3つ、自分は1つでもまだ勝てないんだなと思った。それが今のジャッジの評価なんだな、と受け止めました」

なんて謙虚なコメント。

運も含めたすべてを受け入れてこその、採点なのである。そう割り切らないと、採点スポーツはやっていけない。

今回はこういう結果になったが、これで勝負は終わりではない。高橋がこのまま今季の残りも安定した演技を続けていけば、結果は必ずついてくるはずである。

高橋大輔の素晴らしさを、認識させ確信させればよいのだと思う。

反論の余地のないような演技で。

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コメント

naoさま

おはようございます。
朝いちにこちらにおじゃまさせていただき、もう胸が熱くなりました!
(昨日のを先に読まなくて正解だった!)
今日は1日いい気分で過ごせそうです!

>優勝したP・チャンよりも輝いていた、高橋大輔のフリー演技。
naoさん同様、そうそう!です!

5位から2位でもすっごくすばらしいし、
あの演技を見せてくれただけでも、幸せなんですが、
やっぱり、優勝もしてほしいと、欲はつきません!

どんな滑りをしても大輔さんが一番と思ってますが。

しばらくはファイナルの余韻にひたり、
録画を飽きるまで(飽きないけど)見たいと思います!


naoさん
おはようございます!
大輔さん某スポーツ番組のインタビューで「これからもいいように回るよう
祈って下さいテヘ^^」って笑いながら答えていたけど
こんなに調子いいとちょっと不安になるのね~っとせつなくなりました
祈るよ~ソチまでずっと祈るよ~ってまたまた心に決めました。
真央ちゃんへのコメントも言葉を選びながらも大輔さんらしい
とてもやさしい言葉で。。。ほんとうにやさしい青年ですね
私ごとですが私の母も10日前に亡くなり少しですが今の真央ちゃんの
気持ちわかる気がします。淋しいです。
でも大輔さんの滑っている姿を見て・・・もう!それはそれは元気になるなる~!
もう来週は全日本ですね?naoさん大阪に来られるのですね?
私はお隣兵庫ですが大阪に向かってお祈りしてます
たくさんたくさん応援よろしくお願いします!
ヒューヒュー言っちゃってください!私もテレビの前でヒューヒュー言いながら
乙女の祈り状態でたくさん応援します!
寒いと思いますがお越しになるのお待ちしてま~す^^たこやきも食べてみてね!

いつも、冷静な印象の田村さんにここまで言わせる高橋大輔はすごいですね。
採点競技ゆえの割り切れなさはいつも付きまとうものだけど、今回のフリーはあちこちで採点、特にPCSについて論議を呼んでいる感じです。観客の感動を置き去りにした採点はフィギュアという競技の分かりにくさに繋がってしまい、人気を落とす一因だということをもっとISUのおエライ方々に認識してもらいたいものです。
 それでも、高橋大輔がきっとその採点の壁をも越えて、まずはTESで文句なしにトップに立ってくれると、ソチまでにそこへ到達してくれると信じています。彼にはその力があるのだから。
 全日本には行けないのですが、naoさん、応援よろしくおねがいしますね!全日本王者のタイトルを取り返さないと、モチベが下がっちゃいますよ~!

naoさん、こんばんは。
今回のFS、旧採点方式だったら1位は高橋選手だったと思います。ミスは最初の4回転の着氷だけ、あとは完璧で、観客を彼の奏でるブルースで完全に酔わせました。
ただ今の採点方式ですと、あれだけミスがあったチャン選手の方が技術点が上なのです。演技全体の印象ではなく、ひとつひとつのエレメントの点数を加算していく今の方法では、転倒や着氷の乱れなど、普通の人が見て明らかにミスが多く、良かった、素晴らしかったとはとても思えない演技でも高得点が出てくることがある・・・

私はその場合はPCSで減点して、技の完成度だけでなく、演技全体の完成度を優先して、一般の人の感覚にもう少し近づく結果にしないと、ファン離れが進む一方だと思うのですがね。
このPCSの出方がよくわからない・・・
高橋選手のFSのPCSですが、NHK杯は90,28 GPFは85,58でした。最後までスピードが落ちなくてより素晴らしかったのはGPFの方だと思うのですが・・・NHK杯は地元で最終滑走で観客が興奮の渦だったから、ボーナス点が出たということなのでしょうかね?

tamaさま
そうそう、ですよ。
誰が見ても、感動するのは高橋の方でしょ。
私は、採点方法がよく分からないけれど。。。
間違いなく、高橋の演技は素晴らしかったということ。
しかし、このよく分からない採点競技で勝とうとしているのだから、
そこは、彼の頑張りどころなんでしょうね。
私たちは、そんな彼を見守り応援するしかないです。
勝ってもらいたい。

Kさん
>こんなに調子いいとちょっと不安になるのね~っとせつなくなりました
ああ、その感じ分かります~
ファン歴浅いけど、なんかそう。。。そうです。

Kさんもお母様を亡くされたのですか。。。10日前とは
なんと言って良いか、、、
>大輔さんの滑っている姿を見て・・・もう!それはそれは元気になるなる~!
そうですよね、彼を見れば元気になれる。。。

はい、応援頑張ります!

pororimamaさん
その通りです。
我々の感動と採点に差がありすぎです。
お偉いさん方、本当は気が付いているのでしょうけど、
すぐには修正できなくともソチまでには。
全日本、pororimamaさんの分まで応援頑張ります。
この目で、王者奪還を見てきたいです。

erdbeereさん
なんか、、、難しいですね~。
観客を感動させる完成された芸術作品が、競技としては勝てない。
フュギュアスケートってそんなおかしな競技なんですかね。
本当にファンは置き去りになっています。

>NHK杯は90,28 GPFは85,58
本当に、どうしてでしょうか?おかしいことは明白ですけど。

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