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2011年11月24日 (木)

女子の熾烈な戦いで勝利を得た14歳、女王の中の女王、トゥクタミシェワ。【コラム】

(このコラム、見逃してました。興味深い。。。。読んでみて。)  

11月20日までフランス・パリで開催されていたGPシリーズ第5戦目エリック・ボンパール杯。この大会では、女子が興味深い展開を見せた。

 スケートアメリカチャンピオンのアリッサ・シズニー、スケートカナダチャンピオンのエリザベータ・トゥクタミシェワ、中国杯チャンピオンのカロリナ・コストナーと、今季のGPシリーズ3戦のチャンピオンが、ここでいきなり激突したのである。

 ファイナルよりも一足先に行われた熾烈な争いで勝利を収めたのは、なんと14歳のトゥクタミシェワであった。

 ベテラン二人も、決して気の抜けた演技をしたわけではない。

 だがSP、フリーを通して3ルッツ+3トウループをがっちり成功させ、ほとんどミスなく滑りきったトゥクタミシェワが、総合3ポイントあまりの差をつけて二度目のGPタイトルを手に入れた。

■「今季はジャッジの評価を上げるためのシーズン」

「あなたは欧州チャンピオン、全米チャンピオンにこうして勝ったのに、(年齢制限のルールのため)世界選手権に出られないなんて、フェアなことだと思いますか?」

 会見でこう聞かれた彼女は、こう答えた。

「特に残念だとは思っていません。今季はジャッジの評価を上げるためのシーズンと思っていますから。こうしておけば来年、シニアのすべての試合に出ることになったときに、もうジュニア扱いされることはないでしょう」

 欧州チャンピオンと昨年度のGPファイナルチャンピオンを両側に従えて、14歳の少女はこう答えた。声のトーンこそ幼いものの、顔の表情も、目力も、答える内容も、大人の記者たちがタジタジするほど堂々としている。

■圧巻のジャンプで舞った14歳だが弱点も露呈した。

 もっとも今回は、演技にそれなりの幼さも見えた。カナダの時はジャンプのうまさに圧倒されてあまり気にならなかったが、スケーティングがまだ伸びず、体の小ささに比例したようにリンクの使い方が小さい。

 ことさらシズニー、コストナーと続けて見た後にトゥクタミシェワの演技を見ると、目に見えない一回り小型のリンクの中で滑っているかのようである。そして後半のジャンプをすべてリンクの左半分で跳んでいる。そのことについて会見で記者につっこまれると、初めて戸惑った表情を見せて「振付の構成がそうなっているので……」と答えた。

 彼女がこの弱点を修正してくるほうが早いか、ジャッジの5コンポーネンツ評価が辛くなるほうが早いか、興味深く見守りたい。

■浅田真央はファイナル進出の切符を得られるか?

 今回は優勝を逃したものの、2位のカロリナ・コストナー、3位のアリッサ・シズニーはそれぞれベテランらしい演技を見せてくれた。特にシズニーはフリー1位で、SPでの失敗がなければ優勝も可能なスコアだった。GPファイナルはこのままトゥクタミシェワの一人勝ちになるかどうかは、まだわからない。

 ここでの女子メダリスト3人は、全員ファイナル進出が決定した。これにNHK杯優勝でファイナル行きの切符を手にした鈴木明子を入れて4人。残りの2人は、浅田真央らが出場する来週のロシア杯で決定される。

完全無欠のパトリック・チャンが見せたわずかな綻び。

 一方男子は、全体的に不調な出来だった。

 パトリック・チャンは、試合の数日前まで熱があったそうで、SP、フリーでそれぞれ1回ずつ転倒。フリーでは4回転を二度成功させたが3アクセルを抜かすなどして、ベストな演技ではなかったものの、楽々と独走優勝を果たした。

「GPシリーズでの演技はいつも開発途上と考えています。だからここでできたことは、それなりに手ごたえがあったし、満足しています」

 会見でチャンは、相変わらず明るい表情で前向きに語った。

 彼の言うように、GPシリーズはあくまでシーズンの前哨戦であり、本当の勝負はシーズン最後の世界選手権で決まる。その大舞台だったモスクワ世界選手権で、5月にチャンが見せたような演技を毎回続けられたら、もう誰も勝てないのではないか、と思った。

 だがこの大会でのチャンの演技だったら、SP、フリー、総合点すべてにおいてNHK杯の高橋大輔のほうが勝っている。フリーでは技術点、そして5コンポーネンツもすべて高橋のほうがかなり高い点を得た。そして高橋はNHK杯で一度も4回転を成功させていない。高橋の総合力をもってすれば、チャンが4回転を2回跳んでも勝つことは十分可能なのである。

 もちろん違う試合のスコアを比べても意味がなく、勝負はそのときの運である。

 とはいうものの、チャンも人の子。体調が不調ならミスも続くし、決して誰にも勝てないスーパーマンではないことが証明された。

■男子のファイナル出場枠も残り3つ。ロシア杯は大混戦か。

 中国の若手、ソン・ナンが予想外の健闘をして2位に入賞し、中国杯での3位と合わせてファイナルに一歩近づいた。3位にはスケートアメリカチャンピオンのミハル・ブレジナが入り、チャンとブレジナはファイナル進出が決まった。高橋と合わせて、これで男子は3人が決定。

 来週のロシア杯は、ジェレミー・アボット、ハビエル・フェルナンデス、羽生結弦らがファイナル行きの切符を目指して壮烈な戦いを繰り広げることになる。優勝候補は他に、3試合目に出場するミハル・ブレジナ、そして名誉挽回を狙うアルトゥール・ガチンスキーら。混戦になれば、小塚崇彦がファイナルに進出できるチャンスもまだある。

■村上佳菜子、織田信成はファイナル進出は絶望的に。

 この大会では、日本チームは5試合目にして初めて表彰台を逃した。

 村上佳菜子は合わない靴に悩まされながらの演技だったが、フリーで追い上げて惜しくも総合4位に。織田信成はフリーの演技中に以前に痛めた左膝の痛みがぶりかえし、3回転倒。あきらめずに最後まで滑りきったが、後半は見ていて痛々しい演技だった。総合7位でファイナル進出は絶望的となり、「応援してくれたファンの人たちに申し訳ない」と目を潤ませた。

(「フィギュアスケート、氷上の華」田村明子 = 文)

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